ドルペッグ

読み方

ドルペッグ・どるぺっぐ

ドルペッグ(Dollar-Peg)とは、固定相場制のひとつで、自国の通貨と米ドルの為替レートを一定割合で保つようにする制度をいいます。

経済基盤の弱い国や政情が不安定な国などが、自国の通貨レートを経済的に関係の深い大国の通貨と連動させる仕組みをペッグ制と呼び、米ドルと連動させる場合をドルペッグ(制)と言います。
一部の中東産油国などが採用しています。

基軸通貨である米ドルと連動させることでドルに対しての為替レートは安定し、貿易や投資を円滑に行うことが出来るメリットがあります。

また、安定した基軸通貨の為替レートと連動させることで、自国通貨が乱高下しないことをアピールできます。

しかし、その一方で米国等の相手国の金利政策と連動しているため、金利の上げ下げなどの独自の金融政策が行いにくいことや、米ドル高が進行した場合には自国の通貨政策と経済運営に多大な影響を及ぼすリスクなどのデメリットがあります。

日本では1949年以降ドルペック制が採用され、1ドル=360円で固定されていましたが、1970年代に、ニクソン米大統領がドルと金の交換を停止すると発表したことが発端となり、日本の固定相場制は廃止に至ります。

また、2015年のスイスフラン・ショックは、スイスがドルペッグを廃止したことにより起こりました。

固定相場制にはペッグ制のほかに、複数通貨の平均値との連動を図る通貨バスケット制や、国内に流通する自国通貨に見合ったドルを中央銀行が保有するカレンシーボード制などがあります。

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